DISC
Album
みんなのジュンレイ
2005.2.28 ki/oon records/ki/oon2
¥3,059(Tax in)KSCL8892
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01.Parlor
02.SENAKA
03.つぎねぷと言ってみた(みんなのラッパ篇)
04.カな(長篇)
05.日の出マーチ
06.マダム・ベル 〜ダンス・カンパニー「イデビアン・クルー」に捧ぐ〜
07.背中(みんなのジュンレイ篇)
08.KUTU#4
みんなのアルバム、「みんなのジュンレイ」
ASA-CHANG&巡礼4thフルアルバムにして巡礼コンプリート盤!




その名もズバリ、「みんなのジュンレイ」と名づけられたこの作品は、ただただ「みんな」の音楽として作られ、願いを込められ“ASA-CHANG&巡礼”から届いた通算4枚目のアルバムなのです。要は“巡礼”って、宗教的な一生に一度の大旅行だったり、トラベラーになってインドで悟りを開く心の旅だったり、四国のお遍路さんだったり。。なんか巡礼するのって大変そうじゃないですか?普通の人にはなかなか出来ないです。ASA-CHANGが提案してるのは、もっとカジュアルで、ポップで、おマヌケな音楽を聴いて想いを巡らせ出来ちゃう“巡礼”。CD聴くだけで、誰でも気軽に“巡礼”出来ちゃってもいいんじゃないかっていう。あ、ポップなんでカタカナで“ジュンレイ”だ。。さあ、さあ、プレイヤーのスイッチをONしましょう。。色めく音楽の旅へ「LET’S JUNRAY(なんちゃって)」!!!!
全8曲。その中にはアルバムに先行しフィーチャリングシングルとして発表された2作品、“小泉今日子”とのコラボレイションでストリングスの響きの美しいラブソング「背中」、“ハナレグミ”とのコラボレイションによるフォーキーかつROVOの“原田仁”のブルースハープが哀愁を誘う「カな」のロングヴァージョンも収録されています。巡礼が提案する、本来こう聴いて欲しかったアルバムの流れの中で蘇る名曲の数々。。そう、このアルバムは“BEST OF 巡礼”としての意味合いも強いのですよ!旧知のファンにとっては一曲入魂ステ曲無しのASA-CHANGが作り出した楽曲がRE-MAKEされ、再収録されることにより新しい解釈をもたらしてくれると思います。また新しいファンには「巡礼って一体なんじゃろ?」という疑問にお答えするべく、なぞときのような意味合いの濃いアルバムでもあります。まさに「みんなのジュンレイ」!!!
前述の「背中」の英字版「SENAKA」ではASA-CHANG本人がダンディな野太い声で、まるで70年代のヨーロッパのプログレバンドがサントラを手掛けたような“レイ・ハラカミ”によるバックトラックの上を巡礼研究所所長こと浦山秀彦により緻密にカットアップされ怪しく呟いています。そう、“ハラカミ”氏と“巡礼”は前アルバム「つぎねぷ」からの旧知の仲。彼の幻想的な音響に“U-zhaan”の超絶タブラが乗っかるスリリングな瞬間、は巡礼とハラカミのコラボ作でしか聴けない、いわば特許です。「つぎねぷ」といえば、前作でクラムボンの“原田郁子”の現代詩の朗読が印象的だった「つぎねぷと言ってみた」もリアレンジされております。より管楽器っていうかラッパ!のアレンジが強調され、とっても退廃的です。スカンジナビアかなんかの大道芸バンドか!?もしくはレコメンです。何故か巡礼の音楽っていろんな国の音楽の要素が交差しては、また離れ、何故か欧州風味だったり、エスニック風味だったり、昭和歌謡風だったり。。つまり無国籍なんですね?国なんか関係ない「みんなのジュンレイ」なのだから。
そして巡礼史上で最大の問題作、いや発展作が「日の出マーチ」です。スカパラ時代にASA-CHANGが提案した楽曲に、電気グルーヴの“ピエール瀧”とASA-CHANGがフレーズごと掛け合う歌詞を載せたナンセンス数え歌マーチ(!?)。しかも中途半端にフェードアウト(笑)。脳裏に膝小僧に赤チン塗りたくったガキ時代、昭和の記憶が蘇ります。なんだか影絵でPV作れそう。乞う、みんなの歌でのオンエア!!某放送局よろしくねん。。「みんなの歌のジュンレイ」だ。
長尺の哀愁演歌風印度声ダイコON‐Uダブ、「マダムベル」はあの大御所の“梅津和時”さんのサックスが大々的フィーチャー。色気と、ヤマっ気が、日本人情緒の琴線にきっと触れることでしょう。そしてこのアルバム、いきなりの、パチスロ音?ゲーセン音からU-zhaanとASA-CHANGの口タブラバトル「Parlor」から始まって、何でもない「KUTU#4」(毎度お馴染みですね)で終わる。
聴き終わると一抹の寂しさと、再びこのTRIPを求めたい気持ちが湧き上がる。そうです、冒頭でも述べたように、このアルバムは音楽による「巡礼」なんです。旅はふとしたキッカケで始まり、ふいに終わってしまう。。そこでまた皆、日常という新たな旅へと放り出されていくのです。延々ループする日常、延々ループして欲しい「みんなのジュンレイ」。ちょっとだけ味わえる非日常。。皆様の日々変哲のない平和な生活のサウンドトラックにこんな音楽はいかがでしょう??




ASA-CHANGインタヴュー

巡礼初の試み、フィーチャリングシングルのリリースを経て、2005年にみんなへ届ける巡礼4thアルバム。その名も「みんなのジュンレイ」。 発売まで約ニヶ月と迫った12月某日、所属事務所riverrun,の社長でもある茂木英興氏と、同じくriverrun,の吉澤進也がASA-CHANGにインタヴュー。他では聞けない暴露話しも!?

A:ASA-CHANG  M:茂木英興  Y:吉澤進也





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Y:ニューアルバム「みんなのジュンレイ」について話しを聞かせてください。
まず「みんなのジュンレイ」というタイトル、これは朝倉さんからの発想ですよね。メンバー間での評判もとても良いと聞きましたが、“みんなの〜”とつけた理由は?
A:吉澤はどう思った?
Y:僕もメンバーの意見と同感ですね。なるほどなぁ〜と思いました。
A:とりあえずメンバーからは評判良かったですね。最初は絶対悪いかなーと思ったんですけど、U-zhaanからは(当時滞在していた)インドから「200点!!」って電話かかってきたり。
Y:これはぱっとひらめいたような感じで出たんですか?
A:タイトルの事はアルバム作る時には頭の片隅でずっと考えてるんだけど、最近の巡礼の流れっていうか、2004年でやったフィーチャリングシングルを2枚出したって事も関係してて。なるべく分かりやすい方向で、巡礼節って呼ばれてるけど(笑)、巡礼らしさっていうのをリスナーに届けたいと。そういう想いがずーっと作品創る上でもあったし、それでこのタイトルも全然不自然じゃないな、と思って。
で、これ漢字じゃ駄目なんですよね。やっぱ片仮名にしたかったんですよ、「ジュンレイ」を。漢字で”巡礼”って書いちゃうとどうしても意味が出てくる。意味を無くしたかったんだね。
M:「ASA-CHANG&巡礼」の“巡礼”じゃなくて「みんなのジュンレイ」の“ジュンレイ”に意味を無くしたいという。
A:“巡礼”って言葉は辞書にも載ってるし意味ついちゃうでしょ?聖地に行くとかね。
M:じゃあ僕も聞きたかったんですけど、「ASA-CHANG&巡礼」っていうバンド名の由来って何ですか?
A:何でだかなぁ〜。まあ突発的ですね。誰とも話し合いもせずに。初期の段階では限りなくオレと浦山さんのユニットというかコンビに近かった訳ですから、「ASA-CHANG&巡礼」って付けた時はそんなに意味合いは無かったですけどね。逆に浦山さんに何か言った覚えはあるけど・・。
M:それにしては“巡礼”って言葉って、意味のあるというか、重い言葉のように思えるんですけど。
A:そうだね。
M:それを思いつきで選んじゃうっていう感じも・・朝倉さんらしいですけどね。何か“濃い”ですよね。
A:そう、漢字にしちゃうと濃い部分がありますよね。
M:「ASA-CHANG&巡礼」っていう名前も今はみんな段々字面が普通になってきてますけど、初心者にとっては重いイメージがあるかも。そこの間口を広げたっていう意味でも僕も片仮名っていうのはすごく良かったと思ったんですよ。
Y:タイトルの決まった経緯って茂木さんの後押しって結構ありましたよね?
M:あーFAXでね。朝倉さんから「みんなのジュンレイ」っていうタイトルを考えてて、でも漢字にしようか片仮名にしようか迷ってるんだよねっていうのを聞いて、会社でワープロで打ってみたら断然片仮名の方がいいなあって思って。文字面がいい。で、そのついでにプリントして「片仮名の方がいいと思います」ってFAX入れて。
Y:それがすぐ僕に転送されてきたんですよ。このFAXの内容を湯沢さん(U-zhaan)にメールしてくれと。それが結構ひと押しになったのかなぁと。
A:そうですね。こう考えてる時って誰も、良いとか悪いとか言ってくれないから、「良いですよ」って言ってくれたのは決めたきっかけにはなったかもしれない。でも、“みんなの”って付けた時点で片仮名の考えの方が強かったけどね。
M:それこそ「みんなの巡礼」だとまた意味が違っちゃうような気が。
A:そうなんだよね。まあ、とはいえタイトルなんてちゃんと考えるのは1〜2秒ぐらいのもんですよ。
Y:では収録曲についてですが、まず昨年出したフィーチャリングシングルは全て入っていますね。
A:シングル曲のM1を入れるっていうのはアルバムでは定石じゃないですか。その定番をあえてやってみたかった。
M:シングル→シングル→アルバムっていう流れは「背中」の時から考えてたんでしたっけ?
A:いや、忘れちゃった(笑)。
M:「背中」を出した後にそういう流れになっていったんですよね。
Y:そのシングル曲はもちろん、シングルのM2も全て入ってますよね。
A:大体シングルの2曲目って捨て曲みたいな感じでアルバムに入れないパターンが多いんだけど、巡礼は捨て曲なんてありませんから。
Y:しかもリテイクしたりとか、シングルのバージョンをそのまま入れた訳では無いですよね。「カな」はサイズが明らかに変わってますし、「背中」も手が加えられてますよね。
A:ミックスでちょっと変えてみたり・・
M:暴露話しちゃうと、前にもちらっと言ったかもしれないけど「背中」のシングルの時にトラックダウン(注)の結果によって、メンバー間で大揉め事がありまして、それはアルバムで決着つけよう、みたいな事になったんですよ。で、このアルバムverになったと。
A:今となってはやっぱりあれがシングルで良かったと思ってますけどね。アルバムVerは、アルバムの流れが見えてからまたトラックダウンやり直したんですけど、より小泉さんの歌がしっとり聴こえるような感じになってますね。聴けば分かるけど衝撃とかそういう部分を減らしてるかな。一応8曲入ってるんだけど実質7曲で終結するんで。
Y:この7曲目「背中」(みんなのジュンレイ篇)で終結すると。じゃあ8曲目の「KUTU#4」ってどういう位置づけなんですか。
A:「KUTU」のシリーズは付けたしなので。これは付けたしでいいんです。毎度毎度アルバムの最後に入る曲。
「背中」に戻ると、このアルバムVerは浦山さんがTD(トラックダウン)をやったんですけど、これは歌詞がものすごく大人なんですよね。ダークで素朴で、捉えようによってはエロティックな歌詞なんで、そういう部分を浦山さんはTDをやる上で狙ったんじゃないですかね。
M:「背中」のシングルとアルバムの違いは本当に音楽にものすごく詳しい人じゃないと分からないかもしれないような微妙な差なんですけど、その違いにメンバーのものすごいエネルギーが掛けられていて、そういう想いを受けて2つ聴き比べると、ちょっと分かるかもしれない。あえて(みんなのジュンレイ篇)ってしてるのはそういう意識もあるんだろうし。
(注)トラックダウン=たくさんのチャンネルに収録したそれぞれの音を最終的に2MIX(2チャンネル=ステレオ)にまとめる作業で、それぞれの楽器の音量差や、楽器の音質、音の定位を整えてバランスをとったり、エフェクト処理なども行う。ミキシングエンジニアの腕の見せ所
Y:「背中」の話から続いて今作の目玉とも言えるかも知れません、「SENAKA」について聞かせて下さい。
M:すごい長く時間かかってましたよね、完成までに。
Y:「背中」を創った時から英語の発想はあったんですか?
A:いや、無い。でもアルバム創るとなるとこの「背中」っていう曲は、時間をかけて3人共気合いを入れて創った大切な曲だったので、それもあって。あとはやっぱりヨーロッパを中心とした巡礼への評価へのコールバックとでも言いましょうか。僕はイギリスの音楽とかには疎いんだけど、巡礼の影響で起きてるような音楽のカットアップみたいな事が行われているアーティストが多々あると聞いていて、それに対しての本家からの回答でもあるなと。
M:ここまでやってるよって。
A:さっきも言ったけどエロティックな歌っていうので女性の、小泉今日子さんの「背中」があるんで、今度は男の人が唄うのが良いとオレは思ったんで。で、そういう時になぜか分かんないんだけどオレが唄っちゃうんだよね(笑)。ヴォ−カリストでもないオレが唄ってしまうという。
Y:そしてこの曲は前アルバム「つぎねぷ」に続きレイ・ハラカミさんが参加していますが。
A:でもスタンス的には前みたいにハラカミ君のリアレンジっていう形じゃなくて、いちトラックメイカーとして参加してくれないかと。前はTDまでハラカミ君がやったんだけど、今回はTDはこちらで、ハラカミ君にはバックトラックだけ創ってもらうっていう。
Y:そのトラックの制作過程においてはハラカミさんに完全にお任せして?
A:いちいちハラカミ君の作業を横で見てるほど野暮じゃないし、その前に東京と京都だから出来ないし(笑)。それだけの信頼感があるから。ハラカミ君と巡礼の間には。こっちから一方的なものかもしれないけど。
M:でも今回一度ダメ出ししてましたよね。それ聴いてみたいですけどね(笑)。
A:ハラカミ君から一度出来上がったものにダメ出ししました。ハラカミ君も初めてダメ出しくらったっていってましたけど(笑)。
M:まあ僕はこの「SENAKA」はアルバムの中のハイライトだと思っていて、すごく良い仕上がりだなと思いましたね。
A:表題曲と言ってもいいくらいですね。
M:経緯は知らないんですけど、ハラカミさんへのダメ出しも意味のあった仕上がりになったんじゃないかと思えたし。日本語で文節をカットアップするっていうのはずっと巡礼では聞いてたけど、日本人が唄う英語とはいえ、あれぐらい英語を切り取って、加工して、っていうのは凄いなと。過程が大変だから凄いって訳じゃなく仕上がりを聴いてですけど。まじまじと読んだんですけど英詩もすごく良いんですよね。
A:過程は想像を絶するぐらい大変でした。よく巡礼って実験っぽい事をやってるって言われるけど、今までの作品よりも何百倍も大変でしたね。
M:「背中」があったとはいえ、結局これは1から創ったに近いですよね。リズムも全部英詩によって変わったし。
A:どう割れば英語が区切れるか?っていうのから始まって、3度4度5度・・と何度もやり直してあそこまで行ったんですけど。とりあえず区切れないんですよね、英語が。普通に英語で唄わないようにしようとか、片仮名英語で行こうとか、それでもって「背中」のようにしりとりをしようとした部分もあるので。音節も日本語のように明快じゃないから、どこにおたまじゃくしを置いていいかすら分からない。そんな状態から始まって、インドのU-zhaanから「こうすればいいんじゃないか」っていう案があったり、オレからも創ったんだけど結局両方とも駄目で、浦山さんがその折衷案みたいなのを創って、それをまた作業しつつ浦山さんがやり直したりもしたかな。譜割りは。とにかく大変でしたね。
後は、何度か言ってるけどU-zhaanが入って来てからというもの、オレは作曲とフロントマンみたいな要素が強くなってきて、楽器演奏に関してはそんなに重きを置いてないのね。オレ自身は。オレが演奏してない曲なんてたくさんある。それよりリーダーとしてどういう曲を創るかとか、そっちの方に専念してるので、そうすると歌でも唄ってみようかという流れになってしまったというか。後オレが唄えばちゃんとしたヴォ−カリストが唄うのよりもヘタクソなりの面白さがでるかなって。

Y:以前「カな」のリリースの時に聞いた話のなかで、茂木さんから「次のアルバムはベスト盤的な感じになるんじゃないかな」という話が出てましたが、茂木さんは実際聴いてみてそういう感じはありますか?
M:オレはすごいショックだったのは「日の出マーチ」で。特筆すべき曲だと思った。「SENAKA」が表題曲っていうのはものすごい分かるんだけれど、僕「日の出マーチ」すごい好き(笑)。朝倉さんも言ってましたけどこれはある角度からの巡礼だと思っているので、これが巡礼の全体だとは思ってないんですけど、けどこういう事やらせてこんな風に出来る人達って日本で巡礼しかいないだろうなって。(ピエール)瀧さんの詞も手伝ってなんですけど、すげえ面白い。
A:アルバムを通して、こうやって言葉を分割する手間ヒマかかる曲が4曲も入っているアルバムなんて今まで創ったこと無いので。それだけ入っちゃってるんで、自分の中でバランスが取れなかったんだよね。重いんじゃねえか?聴きずらいんじゃねえか?って思って。それ以外にも色んな想いがあって、この曲はスカパラの時に、オレが書いたんじゃないんだけど発見してきた曲で。スカパラのアルバムに収録されているのはインスト曲だったんだけど、これに歌詞をつけたらどうかなって思った時に、歌詞を半分は思いついてたんだけど、後は誰かに頼もうかなと思ったら瀧さんだった。前から瀧さんの詞がすごい好きで。
M:具体的に言うと「心配は キミの事よりボクの事」が朝倉さんで。それ以外が瀧さん。これは瀧さん200点だと思いましたね。
A:200点ですね。
Y:瀧さんに作詞のお願いをした時に、最初人を介してのお願いだったんですけど一度直接会って打ち合わせをしたいと瀧さんの方から言っていただいて。その打ち合わせには僕も同席してましたけど実際曲について話したのはものの10分程度で、後は世間話でしたよね(笑)。
A:でもその世間話が大事なんだよ(笑)。その後出来たのを聴かせたら瀧さんがフェードアウトはあそこでいいの?って言ってた(笑)。
M:フェードアウトの場所についてはマスタリングスタジオで多数決とりましたね(笑)。
A:巡礼っていうのは“泣ける”とか、人の感情の奥まで入ってくる、みたいな事を「花」以降言われたりするので、いわゆる喜怒哀楽の全部を表したいと思って。だったら、ただただ面白いだけの曲もあり得る。
深いのもあれば浅いのもあり得る。この曲が浅いのかどうかは分からないですよ。
M:「タブラマグマボンゴ」の中で使われていた写真とかからくるような、もともと巡礼の中にあったセンスを具現化したというか、それをものすごく分かりやすく伝えた曲だと思うから、やっぱりこれは巡礼でしか出来ない感じだな、とは思いましたね。で、はっきり面白いと。微妙にじゃなくて。大爆笑しました(笑)。
A:「花」での爆発というか、あれのイメージが強すぎて、「タブラマグマボンゴ」のジャケットにあったような、“ヘッポコ昭和踊り”みたいなお祭りのような部分がちょっと薄らいじゃってて、オレの中ではバランスが取りきれなかったところがあって。で、ここにきてこの「日の出マーチ」で初期の感じを取り戻せたかなって。
M:朝倉さんの中にはスカパラの時から、いや、もっと前からだろうけども、朝倉さんも良く使う“ポップ”っていうイメージはあって、そういうポップさは確かに「花」以降はあんまり表立って見えていなかったかなぁと思っていて。で今回は「日の出マーチ」もそうだし、僕はジャケットをパッと見た時にスカパラの1stを思い出したんですよ。そういうのもあって朝倉さんのそういうサイドもはっきり見せてるアルバムだなと思ってます。
Y:アルバム全体のコンセプトって早いうちからある程度茂木さんに伝わってたんですか?「カな」のリリースの際に「次のアルバムはベスト盤的なものになると思う」と言ってましたが。
M:いや、あんまり分かってなくて、ベストアルバムとかって僕がガタガタ騒いでたのはかなりこじつけで。そういうのにしてくれっていうメッセージでもあったんですよ。そうするとみんなも少しこのアルバムを捉えやすくなるんじゃないかなとも思ったし、そういう巡礼のアルバムが聴きたかったというのもあるし。後はオレが朝倉さんの“ポップな”側面がもっと見たかったんだと思う。「つぎねぷ」とかももちろんその要素は入っているんだけど、やっぱりちょっと襟を正して聴く気持ちになっちゃう。反して今作は巡礼の全体像がよく見渡せる。僕は同じカラーがずーっと続くようなアルバムってどちらかというと苦手なんです。バラエティがあって、ページをめくるように気分が切り替わりながら盛り上がっていくようなアルバムが好きなんです。今回はそういうアルバムになってくれないかなーと勝手に思い、ベスト盤的な作品になりますよと、朝倉さんから特に言われる前に勝手に言ってたという。僕は「花」からしか関わってないんですけど、それぐらいの積み重ねは巡礼はしてきたと思うんですよ。だからここでベスト的なひとまとめっていうのは時期的にも良いかなって思ったんですよ。バンドとしても。
A:シングルを聴いた人だとM2まで入っていて、「もっと新しい曲聴きたい」って思っちゃう部分もあると思うんだけど、そう思わせない仕上がりにしたかった。それを承知の上で、後は曲順の流れというか、ページをめくるようになっていれば今まで聴いた曲だって新しく聴こえたりするんだよね。
M:聴こえますよね。「背中」って音質の違いだけじゃなくて、ここに置かれてると前と全然違う感じがしたし。まあそういうのってアルバムの楽しみ方の一つですよね。もはやこのipod全盛の時代には真逆の話しかもしれないけど。
A:曲順に関してはね、いつもU-zhaanに振ってるんですよ。今回は1曲目が「Parlor」って事だけ決めて、後は並べてって。あと「KUTU」が最後は決まってるとして。U-zhaanは曲並べのセンスがすごくあると思っているので。U-zhaan本人は「誰だってこうくればこう並ぶでしょ」なんて言って謙遜してますけど、僕はすごく良い並びだと思ってますね。
Y:そっくり湯沢さんの案が採用されたんですよね。
A:オレの場合、人に頼んだ時点でそのチョイスが間違ってないという自信があるので、そこからのダメ出しはあんまり無いんですよね。ハラカミ君にトラックをダメ出ししたのは、結構ビックリしちゃったんですよ!音に。オレにとっても相当エクスペリメンタル(実験的)な音で。
M:それ、すごい聴きたい(笑)。
Y:では最後に読んでくれてる方へ一言お願いします。
A:今回のアルバムはね、ここから入る、もしくは2004年の活動から巡礼を聴きはじめるって人も結構いると思うんですよ。「花」を知らない人達が出て来てもおかしくないぐらいだから、そういう意味でこれは一つの節目であり、出発でもあり、ベスト盤でもあるしっていうものだと思うね。もちろん初期からのファンも大切だし嬉しいけど、もっと僕は巡礼を広げたいし、もっとマスに向かってこの音楽を薄めないで、「日本にこんな事をやってる人達がいるんだよ」って事をもっともっと知らしめたいんですよ。そういう想いが強い。だから「みんなのジュンレイ」なんですよ。
つぎねぷ 
2002.9.4 HOT-CHA RECORDS
¥2,730(Tax in)IDCH-1006
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1.トレモロ
2.あたらしい花
3.12節
4.海峡
5.つぎねぷと言ってみた
6.Jiipun(rearranged by rei harakami)
7.xylophone
8.KUTU#3
驚愕作「花」から1年半、ついにASA-CHANG&巡礼の最高傑作が完成!!
しかも全世界待望の初フルレングス・アルバム!!
ゲスト・ミュージシャンにクラムボンの原田郁子、
国産エレクトロニカの第一人者レイ・ハラカミ、
シタール奏者のKK MUTOを迎えた本作は、
ため息が出るほど緻密で、美しく、笑えて、泣けて、カワイイ!!全部に超がつく!!

イギリスの名門テクノ・レーベル「Leaf」から今年の5月に発売されたシングル「hana」、巡礼のコンプリート盤といえるアルバム「JUNRAY SONG CHANG」はイギリス国内にとどまらず、ヨーロッパから絶大な評価を受ける。これはASA-CHANG&巡礼の音楽がグローバルでパイオニアなものであるということを証明する、海外からの嬉しい反応である。

FUJI ROCK FESTIVAL3年連続出演を果たし、秋には全国ツアーも控えたASA-CHANG&巡礼の発する音楽は、国内のミュージック・シーン、クラブ・シーン、アートシーンはおろか、全世界が見逃せない状況。そこへ届けられたのが本作である。

  東京スカパラダイスオーケストラの時代から、誰よりも早いASA-CHANGの音楽的な発想、設計図、デザイン。それを音として具体化し、μレベルまで精密にプログラムする浦山秀彦の技術、センス。巡礼作品の指針にまで関わるU-ZHAANの圧倒的なタブラ技術と音楽的思想、哲学、勘。この3人の繰り広げる音世界はまたしても音楽の未知(道)を切り開いた。“泣くくらい凄い音楽”「花」は通過点になってしまったのだ。もはや本作、音楽ではないかもしれない。

この“ポスト音楽(理解可能。しかもカワイイ)”アルバム、 タイトルを「つぎねぷ」という。


COMMENTS
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野田努
ある学者に言わせれば、昔日本人は日の出という現象に音を聴いていたという。何故なら“音”という漢字は、“日が立つ”と書くからだ。
その真偽はともかく、Asa-Chang&巡礼にはきっと日の出の真っ直中に音を聴く感性があるに違いない。でなければ彼の、そよ吹く風に擦れながら奏でるようなこの柔らかくも愉快な音楽の根拠をどう説明すればいいのだろうか。
しかも僕はこの音楽に類似するものを知らないのだ。
だからといってAsa-Chang&巡礼が日本と呼ばれている国において、
ただひとりの風変わりな奇人が作った極度に風変わりな存在ということではない(いや、そうなのかもしれないのだが)。
新作はある意味ではコーネリアスやレイ・ハラカミや砂原良徳などといった日本のポップの果敢な実験者たちの作品のカタログに入れることも可能である。そう、Asa-Chang&巡礼の新作は、誰もが楽しめるものであり、少々の茶目っ気と創造的野心の緩やかな結合だ。
そしてこの奇妙なポップ・ミュージックはあらゆる文化圏を巡礼しては我が身に必要な文化だけを取り入れてきた文化複合体のAsa-Changでなければ作ることのできない音楽なのである。


Taketo Oguchi For SHIFT http://www.shift.jp.org
進化した巡礼がエレクトロと融合。いままさにこの音を待ち望んでいました。ライブで聞けるのが楽しみです。 CDで聞く方はフルボリュームで是非。


砂原良徳
「花」を聴いた時は本当に驚いた。音楽を聴いて驚くなんていう事は久しぶりだった。
ラジオでオンエアした時のエピソードをAsa-Changに聞かせてもらった。
そのエピソードはポップミュージックがまだ手詰まりではない事を証明しているような出来事だった。


ホンマタカシ
アサチャンにもうかれこれ何年会ってないんだろう?
100万年ぐらいかな?だってアサチャンは巡礼に出たからさ。そんである日アサチャンから「花」が届いた。「花が咲いたよ・・」
僕はそのCDを数えきれないぐらい聞いた。「花が咲いたよ、見たこともない花が・・・」。
そして今回、「つぎねぷ」だよ。こりゃまたずいぶん遠くに巡礼したんだな
アサチャンは!と思ってニヤっとする。「つぎねぷ」だもんね。
こりゃやられたな。音楽的にどうとか言語学的にどうかとかサッパリ分からない。
でも僕は中古のボーズのCDプレイヤーに「つぎねぷ」を入れっぱなしで繰り返し聞いている。
ニヤニヤしながら。遠くにいるアサチャンを想って。


佐々木 敦(HEADZ/FADER)
これほど早く聴けるとは思ってもみなかった新作、しかもフル・アルバム。
音楽を聴いて、ひとが心を揺り動かされるという、ささやかで、しかし、まぎれもない奇跡と呼ぶべき出来事が、
ここには幾つも幾つも、溢れんばかりに、だが、ある確かな慎ましさをも湛えつつ、存在している。
毅然としたストイシズムと、微笑んだ彼の表情を思いださせる悪戯っぽい仕掛けの数々。
大胆不敵な実験性と、ポップとと呼ぶのもはばかれるような、おおきなおおきな麗しさ、愉しさ。
聴きながら、これほど無数の驚きと、絶え間ない嬉しさを感じさせてくれた音盤は、ほんとうにひさしぶりだ。
ああ、また新しい花が咲いたよ。


行定勲(映画監督)
純粋さの裏側にある悪意に取り憑かれたカンジ。
まっさらになった心を汚されたいという願望に目醒め、発狂しそうだった。


UA
ああ あたしはいまたまらなくうれしいの
だからあしたはあさちゃんにちゅうしよう
2001.3.28 HOT-CHA RECORDS
¥1,890(Tax in) IDCH-1002
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1.花
2.Preach
3.2月
4.Goo-Gung-Gung
5.小花
6.KUTU#2
98年、音楽業界の極北を震撼させたソロアルバム「タブラマグマボンゴ」の発表から2年、満を持して、ASA-CHANG&巡礼がヴァージョン・アップして新規再始動!!

2000年の春ぐらいから行われている、ASA-CHANG自らが開発したポータブル・サウンド・システム「JUNRAY TRONICS」を駆使してのLIVE活動は、各方面のミュージシャン、クリエイター間での噂を呼び「FUJIROCK FESTIBAL’00」に出演するなど、予想以上な確実さで拡がりをみせている。

その再始動LIVEから新加入したスーパーなタブラ奏者U-ZHAAN。 巡礼サウンドを忠実に、かつディープにプログラミングする浦山秀彦。 ヴァージョン・アップしたASA-CHANG&巡礼サウンドにこれ以上の適材はないメンバーのもと、構想1年を費やした、21世紀への驚愕作「花」はついに完成する。

メイン曲「花」を中心に彩られたこの作品は、ASA-CHANGがリーダーとしてスタートした東京スカパラダイスオーケストラ時代の曲「Goo-Gung-Gung」のリメイクに顕著なように、既存の 「エイジアン○x○x?」「○x○xトランス?」といった流れや“旬”を超越(内包)しながら、必ずその先頭を突っ走っているASA-CHANGの集大成作であり、音楽的パイオニアとしての証明作であるといえる。   そして、その表題曲「花」は、確実にASA-CHANG&巡礼の新機軸であり世界レベルかつ50年単位でポップミュージックを進化させる名曲。誰もが持っている他人には見せられない心のひだ、喜怒哀楽のすきまへと流れ込むこの曲の「美しく儚く懐かしく切ないところ」という景色は誰も見たことが無いのだが、誰もが持っている記憶、誰もがそこに追いつける意識に、なぜか根づいている。しかもヤバイ。危険なのだ。


『危険はポップミュージック最大のファクターなのだから!!』


このアルバム(ASA-CHANG&巡礼にとってこのボリュームはアルバムなのだ)を21世紀のスタート・ラインで共有できる人は、新しい価値が誕生する瞬間を、目の当たりにする重要な目撃者である。


COMMENTS
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永瀬正敏
「“衝撃”ASA-CHANG&巡礼の中の宇宙が音楽の枠を越えた!!」


山本精一(ボアダムス、ROVO)
「この音楽には何か小さな、『良い生きもの』みたいなのが宿ってる」


吉村秀樹(bloodthirsty butchers)〜official web site 「NOW 馬耳2001」より抜粋〜
「迷宮に連れていってくれるほど私物化してはいけないCD。 天然クウゼツ、生涯孤独、見違えるほど醜くくも見える2001年記念物作品! これは、誰の頭ぶっちぎる、お前だ!お前にしか資格はない! 己に刃向かうよう、プレゼントしよう。禁断のつぼみ巡礼。 凄い、凄すぎるよアサチャン、あんたも侍だ」


Chara
「ちょっと映画っぽいね。ASA-CHANGもっとうたって」
タブラマグマボンゴ
1998.5.2 TRATTORIA MENU.
¥1,575(Tax in) 157 PSCR-5676
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1.ここに幸あり
2.TABLA BOL「CATASTRPHE」
3.ここに幸あり inst.call「タブラマグマボンゴ」
4.ラジオのように
5.KUTSU 
1.ここに幸あり
(作詞:高橋掬太郎 作曲:飯田三郎 編曲:ASA-CHANG & 巡礼)
世界に誇るASA-CHANGの「タブランベース(レス)」(マイクロ化に成功!!)が ナツメロを怒りの光速ビートに変えてしまった。1コーラス、2コーラス、3コーラス、 狂った万華鏡のように色を変え、ラストはペンペン草も生えない地獄絵巻に……?

2.TABLA BOL「CATASTRPHE」
(作詞:ASA-CHANG 作曲:ASA-CHANG 編曲:ASA-CHANG & 巡礼 *インド古典音楽)
タブラ・ソロ。そのバックにかずかに聴こえるコトバは完全にタブラにシンクロ。 シンクロ・ミュージック、シンクロ・ライム? 日本語の意味は「CATASTRPHE」 (カタストロフ)か?

3.ここに幸あり inst.call「タブラマグマボンゴ」
(作詞:高橋掬太郎 作曲:ASA-CHANG 編曲:ASA-CHANG&巡礼)
M1のバルタンな歌声をミュートしたら、同じトラックなのに宇宙度が30%増量 しました。くりかえしループばかりのビート(ほとんどのポップ・ミュージック はそうです)にちょい飽きたASA-CHANGの「空間を自由を切り刻み、グルーヴ とかビート、パルスに代わるなにかでナニしたい」との発想。ここに幸あるねぇ。 チキショー。(雪駄ばきがクラブの服装チェックでひっかかる→入店出来ず→ ショボンと居酒屋コップ酒)?   4.ラジオのように
(作詞:B.FONTAINE 作曲:A.BELKACEM 編曲:ASA-CHANG & 巡礼)
トラットリアということでフレンチか? 大きなカン違い? わざト?  ブリジット・フォンテーヌも「お手々のシワとシワを合わせて南無ぅー」になっちゃいました。

5.KUTSU 
(作曲:ASA-CHANG 編曲:ASA-CHANG)
クラリネット独奏。「くつ」というタイトルがピタリ決まるインストゥルメンタル。
93年、突然のスカパラ脱退(当時リーダーだったのに…)以来、フリーのパーカッショニスト、ドラマーとして「アムロから暴力温泉芸者まで」数々のミュージシャンをサポートし、ジャンルのカベを通り抜け(通り抜けすぎ)雪駄(せった)でバタバタ走りまくるあのASA-CHANGが遂にソロ・プロ ジェクトを始動。インドの打楽器タブラや、自ら製作したタブラボンゴを中心に、えてして「ヒーリング」、「民族」ベッタリになりがちな音色の組み合わせが、ある曲は狂暴に、素朴にきかせてしまうASA-CHANGのトライバルかつアブストラクトかつ?$¥@#な世界が独自に作裂。ルックス重視で人選したという新ユニット「巡礼」(ナゾの平均値41.3)のオトボケ感VS本気感には目を見張るものが混在。
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